不確実性を楽しむITコンサルタント

近年、ITコンサルタントとして、お客さまのデジタル化を推進するプロジェクトが増えてきました。私は主にデータサイエンス・アジャイルの専門性を駆使して、お客さまのデジタル化を阻む課題を特定し、チームをリードしながら 課題を解決していきます。デジタル化プロジェクトは非常に不確実性が高いため、プロジェクトそのものをアジャイル開発と捉えて振る舞うとうまくいくことが多いです。

## デジタル化プロジェクトとは?

この定義については企業によってもさまざまですが、一般的にはAIやアジャイル開発手法、ブロックチェーンなどのテクノロジーや方法論を駆使して、お客さまのビジネス課題を解決していくプロジェクトを指すことが多いです。これらのデジタル化プロジェクトで私が最も重要であると思う特徴は、お客さま自身も自身の企業のビジネス課題を明確に捉え切れていないという点です。バズワード化したテクノロジーワードに惑わされ、本来解くべき課題は何なのか?その課題を解くために本当に必要なテクノロジーは何か?などが不明瞭なまま私たちに依頼がやってくることが少なくありません。

## ビジネスの現場を見にいく

まずは課題を解像度を上げることが最優先です。そのためにはビジネスの現場で何が起きているのか、徹底的に観察します。アプリケーション開発であれば、ミーティングに顔を出して、開発現場で何が起こっているのか自分の目で確認します。また、将来的に自身が提案する施策を実施するのはビジネスの現場ですので、この時点で関係者と顔見知りになっておくことは非常に重要です。

## まずは書き出してみる

プロジェクト開始時は課題がフワフワしています。しかし、ここでお客さまにゼロベースで確認を求めてはいけません。お客さまも不安なのです。まずはITコンサルタント側が課題を細分化し、その内容を書き出した上で、お客さまに確認をとるようにすべきです。不確実性の高い状況でも仮説ベースで具体的なアウトプットを見せることが、お客さまの不安解消につながります。また、ここでお客さまに正解を示さなければならないと必要以上に気負う必要はありません。まずは書き出してみることがなによりも大切だと思います。

## お客さまのサブリーダーを味方につける

ITコンサルタントとお客さまの対立構造を作り出さないことが大切です。具体的にはお客さまのサブリーダー層と短時間で定期的に会話する場を設定し、こまめに方向修正をしながら、徐々にプロジェクトの不確実性を排除していくことが重要です。こうすることで、お客さま側責任者との会話においても、サブリーダーはこちらのチームのサポーターになってくれるはずです。

## Webカメラオンでハキハキ話す

コロナの影響で、プロジェクトをオンラインベースで進めることが多くなってきました。このような状況下では対面ではあまり気にしていなかったポイントにも注意する必要があります。まずはWebカメラをオンにして、顔を見せることが大切です。会話においてもお客さまの質問には0.5秒以内にはっきりとした口調で回答しましょう。いずれもお客さまの不安感を増やさないための対策です。まれにお客さまに「〜でよろしいでしょうか?」といったような質問を行うコンサルタントがいますが、これはNGです。お客さま自身も正解を知らないのですから。。

## さいごに

本日お話しした内容はいずれも、"お客さまの不安感をいかに解消するか"という点につながります。プロジェクト開始時は、お客さまもコンサルタントも不確実性から来る不安感に包まれています。 この不安感を一歩ずつ解消し前に進んでいくことがプロジェクトを成功させる秘訣であると思います。不確実性を楽しみましょう!